現代女性は、昔の女性に比べて出産回数が減ったため、月経のある期間が長くなったと言われています。月経には女性ホルモンが関与しており、そのホルモンバランスは身体的・精神的影響を受けています。ストレスの多い現代だからこそ、月経に関するトラブルを経験される女性は多いのではないでしょうか?
月経は自分のカラダの状態がわかる“健康のバロメーター”です。だからこそ、正しく理解して上手に付き合い、毎日を快適に過ごしていきましょう。
女性のカラダとホルモン
女性のカラダは卵巣から分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)という2種類の女性ホルモンによってコントロールされています。
その働きのひとつが月経です。
女性のカラダは約1ヵ月に1回、卵巣から卵子を排出し、それに合わせて子宮内膜を厚くし、受精卵の受け入れ態勢を整えます。ところが、卵子が受精しなかった場合は子宮内膜がはがれて体外に排出されます。これが月経(生理)のしくみです。
月経周期
月経周期は個人差があるものの25~38日間隔で5日前後の月経期間が1サイクルとなります。この月経周期を大きく4つに分類すると、卵胞期、排卵期、黄体期、月経期に分けられますが、エストロゲンとプロゲステロンの分泌量が大きく変化し、2種類の女性ホルモンによってコントロールされています。
卵胞期:卵子の元となる原始卵胞が卵巣内で成熟する時期。この成熟した卵胞から分泌される卵胞ホルモン(エストロゲン)によって子宮内膜が厚くなる。
排卵期:成熟した卵胞から卵子が排出される時期。排卵時にはエストロゲンの分泌量が多くなる。
黄体期:排卵された卵胞が黄体に変化する時期。この黄体から黄体ホルモン(プロゲステロン)が多く分泌されて厚くなった子宮内膜は妊娠しやすい状態となる。
月経期:妊娠が成立しない場合は、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌量が減り、子宮内膜が剥がれ落ち、月経として体外へ排出される。
カラダや心のトラブルによってホルモンバランスが崩れてしまうと、この月経周期の乱れや月経前症状(PMS)が強く出たり、月経困難症に繋がるなど変化や異常があらわれることがあります。月経異常の陰に病気が隠れていることもありますので、少しでも変化を感じたら婦人科を受診しましょう。
月経と上手に向き合うポイント
自分のカラダのリズムを知る
自身のカラダのリズムを知るために、まずは基礎体温を測ることから始めましょう。気分や体調の変化も併せて記録すると傾向がつかみやすくなり、予定を立てたり、コントロールがしやすくなります。
ストレスを解消する
ストレスはホルモンバランスが崩れる要因となりますので、上手にストレスと向き合い、発散するよう心がけましょう。疲労の蓄積は身体的ストレスにもなりますので十分な睡眠をとることも大切です。
カラダを冷やさない
カラダが冷えると血行が悪くなり、生理痛がひどくなったりします。軽い運動やストレッチで代謝を高めたり、半身浴などでカラダを温めてリラックスするのもおすすめです。
バランスの良い食事をとる
月経期は出血により貧血になりやすいため、鉄分の補給を心がけましょう。また、浮腫の原因となる塩分や神経を過敏にするカフェインなどの摂取を控えることをおすすめします。
月経のトラブルは多かれ少なかれ誰にでも起こりうるものです。日常生活の工夫で解消されたり、軽減したりすることもあるので上手に向き合っていきましょう。